忌引き(きびき)とは?意味を解説
「忌引き」とは、身内の葬儀に参列するために職場や学校を休むことを指します。
また、親族などが亡くなった際に会社や学校を休むことができる休暇制度のことを指す場合もあります。
忌引き休暇の日数や取得方法は会社の就業規則によって定められており、社員の親族などが死亡した場合に適用されます。
忌引きを使った場合の給料はどうなるのか?
忌引き休暇の給与の扱いは、勤め先のルールにより異なります。
一般的には、給与が支払われる場合もあれば、有給休暇と同じように給与が出ることもあります。ただし、給与の有無や続柄による違いがあり、勤務先の就業規則や方針に従って決定されます。
忌引き休暇を利用する場合、給与の詳細については就業規則や労働条件を確認することが重要です。
忌引きの休暇日数はどのくらい取れるのか?
忌引き休暇の日数は、故人との続柄によって異なります。
親等によって取得できる日数が決まり、基本的には1日から10日程度とされていますが、具体的な日数は、学生や勤務先の就業規則などによっても異なる場合があります。
一般的な日数としては下記になります。
- 配偶者:1日~10日
- 子ども:1日~10日
- 父親・母親:1日~7日
- 祖父・祖母:1日~3日
- 兄弟・姉妹:1日~3日
- 配偶者の父親・母親:1日~3日
- 配偶者の兄弟・姉妹:1日
- 配偶者の祖父・祖母:1日
- 叔父・叔母:1日
忌引きは何親等から利用できるのか
一般的に、忌引きは故人との親族関係によって異なります。
忌引きになるのは三親等までが一般的であり、以下のような関係が含まれます。
- 1親等:親、子ども、配偶者の親
- 2親等:兄弟姉妹、祖父母、孫、配偶者の祖父母、配偶者の兄弟姉妹
- 3親等:曾祖父母、曾祖母、伯(叔)父、伯(叔)母、叔父・叔母
4親等の「いとこ」は忌引き利用できるか?
いとこが亡くなった場合、一般的には忌引き休暇は適用されないことが多いです。
4親等になるいとこは親等内に含まれないため、多くの場合、忌引き休暇の対象とはなりません。
忌引きと有給は別
有給は法律による休暇となり、忌引きとは別の扱いです。
忌引きだったからという理由でその分減らされる事はありません。
ただ、以下の場合は有給を利用する場合もあります。
- ・既定の忌引き日数だけでは足りなかった場合、足りない日数分を有給休暇として取得する
- ・続柄によっては忌引きが認められなかった場合もあり、その時は有給休暇を取得して休む
会社や学校で決められた忌引き日数以外でお休みが必要な場合に有給休暇を別途、利用しましょう。
忌引きの流れ 連絡のタイミングや方法について詳しく解説
忌引きの連絡方法は、社会人の場合は電話や口頭で上司に伝えるのが一般的です。
了承を得た後に、詳細をメールなどの書面で送る必要があります。
ただし、学校や会社によっても連絡方法が異なる場合があるため、就業規則や学校の規定を確認してみてください。
下記は一般的な方法になります。
1.就業規則や生徒手帳を確認する
会社であれば就業規則、そして学生であれば生徒手帳に忌引きの場合の記載がされている場合が多いです。
まずは就業規則、生徒手帳を確認してみましょう。
2.早めに忌引き申請の連絡を入れる
忌引きの連絡を入れる場合はなるべく早めに入れるという点は大きなポイントとなります。
連絡方法はなるべくであれば電話で連絡するのが確実です。
関係者に伝える内容は下記になります。
- 誰が亡くなったのか
- どのくらいの期間の休みを申請するのか
- 葬儀及び告別式の日程について(未定の場合は決まり次第連絡すると伝えます)
- お休み中の連絡先
3.忌引きに必要な書類を確認・作成
連絡を入れた際に、必要書類があるのかも確認してください。
学校の場合では公認欠席届として出す例が多いです。
会社の場合は、証明書類の提出を求められる場合があります。
以前は葬儀の会葬礼状を出す方法で提出していたという例が多いのですが、ここ最近は葬儀の規模を縮小している都合などで会葬礼状を作成していない事もあります。
その際は死亡診断書や火葬許可証などの提出で手続きを行う場合も出てきているようです。
4.忌引き明けの挨拶
忌引き休暇を終え、忌引き開けとして登校・出社をした際は忌引き開けのご挨拶をした方が良いでしょう。
- 休暇取得をいただいた事への感謝
- 葬儀を滞りなく(もしくはつつがなく)終わらせる事が出来たという報告
会社の場合は、香典返しや菓子折りを持参して挨拶する場合もあります。
※会社名義の香典をいただいた場合は香典返しが不要です。
慶弔見舞金という福利厚生の1つとしてお渡ししているので、香典辞退という方針の際でも受け取って問題ないとされています。
【テンプレートあり】メールで忌引き連絡を入れる場合
本来であれば電話などの口頭で早めに連絡を入れるべきなのですが、状況によってはすぐに連絡が取れない場合は、メールで連絡を入れておく方法も有効です。
もし、メールで連絡を入れる場合は確実に見てもらえたかを後で確認するようにした方が良いでしょう。
会社へ連絡を入れる場合
会社へメールでも連絡を入れる場合は、通常のビジネスメールと同様に書き始め、以下の内容を伝えるようにします。
件名に「忌引き申請」など、「忌引」という字を必ず入れるようにしてメッセージを開封してもらえるようにしましょう。
・〇〇(続柄)が(いつ頃)死去し、忌引き取得のための連絡をしたという事を伝えます。
・故人 (故人名)
・忌引き申請 〇月〇日~〇月〇日まで
・葬儀日程 〇月〇日〇時、もしくは未定
・休暇中の連絡先
もし、葬儀日程が決まっていない場合は、決まり次第連絡するという事も伝えてください。
最後に挨拶をして署名します。
テンプレート
件名: 【忌引きのご連絡】○○の訃報について
お疲れ様です。△△部の◇◇です。
突然のご連絡となりますが、私の親である□□が亡くなりましたことを深くお知らせ申し上げます。
つきましては、葬儀のため忌引き休暇をいただきたく存じます。休暇期間:〇年〇月〇日~〇年〇月〇日(〇日間)
故人の名前: □□
故人との関係性: 親ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます。
何かご不明点等ございましたら、お気軽にご連絡いただけますと幸いです。
何卒、よろしくお願い申し上げます。
学校へメールで連絡する場合
学校の担任宛てにメールで連絡する場合は、「忌引きによる欠席のご連絡について」といった件名で良いでしょう。
・◯年◯組の◯◯の母です。
・〇〇(続柄)が(いつ頃)死去し、下記の日数を忌引きにより欠席したくご連絡しました。
・故人 (故人名)
・忌引きを申請 〇月〇日~〇月〇日まで
・葬儀日程 〇月〇日〇時、もしくは未定
・休暇中の連絡先
最後によろしくおねがいいたしますと挨拶をして署名しておきます。
会社のメール連絡、学校担任へのメール連絡共に、メール内容を見てもらえたか確認した方が良いので、いずれにしても一度電話連絡を入れた方が確実です。
テンプレート
件名: 忌引きのご連絡
先生、いつもお世話になっております。△△クラスの◇◇です。
突然のことで恐縮ですが、◆◆(子供の名前)の祖母が亡くなりました。
つきましては下記期間においてお休みをさせていただきます。休暇期間:〇年〇月〇日~〇年〇月〇日(〇日間)
故人の名前: □□
故人との関係性: 祖母できるかぎり授業や学校活動に差し支えないよう調整いたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
忌引きに関連してやらないといけないこと
故人が勤務していた会社へ訃報連絡
まず故人が勤務していた会社へ訃報連絡を入れる場合です。
連絡先は故人が所属していた部署へ連絡を入れます。
そして、故人の上司にあたる人に伝えるのが良いでしょう。
以下の点をお伝えします。
・故人の氏名
・今連絡を入れている人と故人の関係性
・亡くなられた日時(状況に応じて:詳細は後述します)
・葬儀会場や葬儀の日時
・家族葬を行う場合は伝える(詳細は後述をご参考ください)
・もし香典や供物・供花・弔電を辞退する意向があれば伝えておきます
・連絡先(連絡を入れている人の電話番号を伝える場合が多いです)
もし所属部署がはっきりわからない場合は人事部や総務部宛てに連絡をします。
家族葬の場合でも訃報連絡は入れるべき
家族葬の場合は身内とごく親しい人へ参列のお願いをするのみと考えると会社への訃報連絡は必要ないのではないかと思われるかもしれません。
結論としては、家族葬だったとした場合でも、会社への訃報連絡は必要だと考えてください。
なぜかというと会社の方でも手続きを行う必要があるからです。
訃報連絡をした際に家族葬を行う場合は以下の点を伝えます。
・葬儀は家族葬で行うという事
・家族葬で執り行うため参列はご辞退いただきたいという事
・社内への訃報通知をどうするか(希望する・希望しない)
訃報通知を希望しない場合
家族葬を行う予定で、会社内への訃報通知を希望しなかった場合は後日、「事後通知状」という形で葬儀を執り行ったという内容のハガキでお知らせするのが一般的です。
事後通知状では訃報の連絡と葬儀を行った事、生前に親交いただいたお礼を記載します。
香典辞退した場合でも会社名で香典を出す例も
訃報連絡の際に家族葬を行う点を伝えた際に、香典の辞退を申し出ていたとしても会社から香典が出る場合もあります。
これは福利厚生のお見舞い金を出しているという扱いになり、社内の慶弔規定で出している場合もあります。
もし会社名で香典が出た場合は一般的に香典返しの必要はないと考えられています。
忌引きの休暇期間が短くなっている理由
近年は、忌引き休暇期間が短くなっている人が大変多くなっています。
理由としては、これまで一般的なお葬式が主流でしたが、近年は家族葬や1日葬など簡易的なお葬式が増えてきたことが理由と考えられています。
家族葬や1日葬を選ばれる理由としては、「身内だけで執り行いたい」「費用を安く済ませたい」「故人の希望で盛大にはしない」などになります。
もし休暇も取りにくい現状だった場合などは家族葬、1日葬がおすすめです。