増えてきている墓じまいとは?手続きや費用について解説

増えてきている墓じまいとは? 手続きや費用について解説
先祖を供養する気持ちは様々ですが、供養したくても思うように供養できない様々な理由により墓じまいを行う件数も増えてきています。
墓じまいとはどのような事を行うのか、手続きや費用、補助金はあるのか?など墓じまいについて解説していきます。
目次

墓じまいをする人がなぜ増えてきているのか

墓じまいはお墓を撤去して更地にした上で、墓地の管理者に使用権を返還する事を指します。
返還後は手元供養をする、海洋散骨を行う、永代供養の墓に改葬を行うなど様々な選択肢があります。
実際に改葬のみの場合になりますが、厚生労働省「令和2年度衛生行政報告例」の報告によると117,772件の改葬があります。※
年々増加傾向にあるのですが、どのような背景があるのでしょうか。

お墓の継承者の問題

昔はその家の長男が受け継ぐ形で先祖代々のお墓を継承していくのが普通でした。
ですが、少子高齢化になりつつある現代では、以下の点でお墓の継承が難しいと判断せざるを得ない事情が出てきます。
・継承者が単身者
・夫婦のみの家庭
・シングル家庭
家族の数が少ない核家族化してきている傾向があると結果として「このままでは後を継いでくれる子がいない」「子供はいるけれど男の家族がいないから負担がかかるのではないか」といった心配が出てくるのです。
今後のお墓の管理をしていく上で将来の事を考えて自分の代で墓じまいをしたほうが良いのではないかと決断する例があります。

遠方に墓がある

地方にお墓がある場合に出てくる問題です。
自分の子供たちは進学や就職、結婚といった環境の変化に伴い都市部に引っ越しをする事があります。
地方にお墓がある状態で地域的にも過疎化が進んでくると墓じまいを検討する場合も出てくるのです。
自分たちが墓参りをしていたけれど高齢化に伴い墓参りも行きにくくなってしまうと、子供たちに迷惑がかかるのではないかという考えで自分たちの代で墓じまいを検討する例もあります。

無縁墓になるのを避けるため

現代のお墓事情の中には無縁墓の問題もあります。
永代使用のお墓の中には、お墓の継承者が来ることもなくそのまま放置されている場合もあります。
放置されているお墓の存在に気付いた場合、管理者が名乗り出てほしいという通知を官報や立て札で行い、1年以内に連絡がない場合は、管理者の方で無縁墓と判断し、お墓は解体・撤去され合祀墓に祀られる事が多いです。
無縁墓についてはたびたびメディアでも紹介されています。
自分のお墓が無縁墓になる可能性があるかもしれない、管理が充分できないかもしれないという不安を感じるかもしれません。
墓じまいを今のうちにしておいた方が良いのではないかと考える人も出てくるのです。

お墓の選択肢が増え考えも多様化してきている

昔は先祖代々のお墓に入るのが当たり前とされていましたが、ここ最近では「夫婦用」「個人のみのお墓」「ペットと入れるお墓」など様々なお墓が増えてきています。
代々継いでいくという形にとらわれない供養の形も増えてきているため、お墓に対する考え方、捉え方も変わってきているのです。

墓じまいの手続きや方法について

お墓を継承していく事に不安を感じる、今後、お墓の管理に問題が出てくるかもしれないなど、様々な理由で墓じまいを検討する事になります。
もし墓じまいを検討した場合の手続きや方法について解説していきます。

最初に親族に相談・同意を得る

最初に相談するのは親族です。
お墓の継承の事も考えて墓じまいをするべきという意見もあれば、中には先祖代々続いてきたのだから継承していくべきと考えている親族もいるかもしれません。
墓じまいをした後でトラブルになるのを避けるためにも親族全てに相談し、同意を得るようにしてください。
お墓にご遺骨が何体入っているかを確認した上でご遺骨に関係している方に連絡をとるようにします。
相談をする際は、墓じまいを検討するようになった理由を伝え、墓じまい後にお骨をどうするかを説明した上で同意を得た方が理解してもらいやすいでしょう。
念のため話し合いの際は覚書で記録しておくと良いです。
トラブルが起きた際に対処しやすくなる場合があります。

お墓の管理者に墓じまいをする旨を伝える

次にお墓の管理者に墓じまいを行うと伝えます。
お墓は勝手に移動できませんので、管理者に「埋葬証明書」を発行してもらう必要があります。
お墓の管理者が寺院だった場合、長年、檀家としてのお付き合いもあったと思いますので、墓じまいを伝える際は慎重に話を進めてください。
なぜ墓じまいを決断する事になったのかという点を丁寧に説明して管理者に理解してもらう事が重要です。
ここで管理者に理解してもらえなかった場合、高額な離檀料を請求され、払えないと手続きに必要となる埋葬証明書を発行してもらえませんので、結果として墓じまいを断念したという例もあります。
離檀料に関しては宗派により違いがありますので、高額過ぎる離檀料の請求があった場合は弁護士に相談するのも一つの方法となります。

遺骨の受け入れ先を決める

墓じまい後にご遺骨をどこに移動するかを決めます。
墓じまい後の選択肢として以下の埋葬の仕方があります。
・一般墓への改葬
・手元供養
・納骨堂
・樹木葬
・永代供養
・散骨
今後、ご遺骨をどうするのか検討した上で決定しましょう。
別の場所のお墓に移動する改葬を行う場合は、新しい墓地管理者から「受入証明書」を発行してもらう必要があります。
もし、海洋散骨や樹木葬、永代供養の合葬墓を選択する場合は、今後、遺骨の取り戻しが出来なくなる場合が多いです。
その点は充分に考えて検討してください。

墓じまいの依頼先を探し依頼する

墓じまいはお墓の解体や撤去を行い、最終的に更地にするため、これらの作業を行う専門の業者に依頼する必要があります。
石材店や墓じまいを行っている専門業者を探して依頼をします。
お墓の管理者に依頼できる業者が特に決まっていないかどうかを確認してから探すと良いでしょう。
業者を探す際はまず、複数候補を探してください。
そして必ず全ての業者から見積りをとるようにしたほうが良いです。
石材店や専門業者はそのお店によってかなり値段の違いが出てくる場合が多いです。
かかる費用とサービス内容を比較した上で依頼先を決めてください。

改葬許可証を発行してもらう

現在のお墓がある自治体で改葬許可証を発行してもらいます。
「改葬許可証」の発行には以下の3点の書類が必要です。

・改葬許可申請書
現在のお墓がある市区町村より入手、記入

・埋葬証明書
お墓の管理者に発行してもらう

・受入証明書
改葬先から発行されます

散骨や手元供養などの予定の場合は必要ありませんが、もし、提出の必要が出てくる場合は、申請書の改葬理由欄に「自宅供養」と記載します。

ご遺骨の取り出し

改葬許可証発行後はご遺骨を取り出す事が出来ますが、お墓によってはお墓に宿っている魂を抜くために「閉眼供養」を行う場合があります。
閉眼供養を行う際は、お寺にお布施を渡して供養の手配をします。

更地にして墓じまいは完了

ご遺骨を取り出してから、お墓の解体、撤去します。
この時、基礎工事部分も撤去を行ったところまで確認をして、更地にしてから管理者に土地を返して墓じまいは完了です。

墓じまいでかかる費用の目安

墓じまいを行う際にどのくらい費用がかかるのでしょうか。
一般的な目安を見ていきましょう。

・書類の発行手数料
埋葬証明書や改葬許可証など。自治体別で違いがありますが、1000円前後

・解体・撤去の工事費用
1平方メートルあたり20万円前後

・離檀料
宗教、宗派によって違いが出てきます。
話し合いのうえで決定します。
5万円〜20万円程度の例が多いです。

・供養のお布施
閉眼供養や開眼供養の際に僧侶にお渡しするお布施です。
一般的な法要と同額とされていますが地域により違いがありますので確認をとると良いでしょう。

・新しい墓所へかかる費用
納骨方法によって費用が変わってきます。
合祀墓の場合は10万円前後、納骨堂安置の後合祀する場合は50万円程度など、違いがありますので確認してください。

墓じまいに関して自治体の補助金が無いか確認を

墓じまいはある程度費用がかかるという点から墓じまいの補助金制度がある自治体もあり、千葉県市川市や群馬県太田市が助成金や補助金を出しています。
他にも大阪府岸和田市や大阪府泉大津市、東京都立霊園、岡山県玉野市霊園など、墓じまいのサポートをしてくれる制度も存在しますので、お墓がある自治体に事前に確認をとると良いでしょう。

まとめ

核家族化、地方の過疎化、高齢化など様々な理由で墓じまいを検討する事例が増えつつあります。
今後、お墓の管理が充分に行えないかもしれないと考えた際に墓じまいを検討するようになりますが、檀家に入っている寺院や親族とは充分に話し合い、承諾を得てから話を進めるようにしてください。

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