法事のお供えにつける熨斗(のし)のマナーや書き方のポイント

法事のお供えにつける 熨斗(のし)のマナーや 書き方のポイント
法事の際にお供え物を持参する場合があります。
この時、のしを付けて行けばよいというのを聞いた事があるかもしれませんが、のしの選び方によっては失礼にあたる可能性もあるので注意が必要です。
法事のお供えに関する熨斗のマナーを確認しておくといざという時に対応しやすくなります。
このページでは、法事をはじめとした仏事での「のし」の選び方や書き方について解説していきますので、参考にしてみてください。
目次

のし紙には様々な種類があります

贈り物のかけ紙としてのし(熨斗)と水引・表書が印刷されている紙をつけます。

右上の熨斗アワビの印刷がないものを選ぶ

右上に書かれている絵はのし(熨斗)と呼ばれ、昔は乾燥鮑を巻いた「のし鮑」を縁起物として贈っていた名残で現在でものし紙に印刷されています。
のしアワビが印刷されているのし紙は、お祝い事の際に利用されるものです。
法事の際は、右上にあるのしが印刷されていないのし紙をつけます。

水引の種類にもご注意を

二度と同じことが繰り返されないようにといった意味合いも含めて、水引は「結び切り」を選ぶようにしてください。
結び切りは結んだらほどけないという意味を持っているので、法事などの仏事の他、婚礼やお見舞いの場でも結び切りは利用される機会が多いです。

仏事のお供え物につける熨斗の選び方と書き方

法事の行事によって香典を包む際、一緒にお供え物を持参するのが一般的です。
行事によって適しているのし紙に違いがありますので、マナーや表書きなどの書き方を確認しておきましょう。

通夜、葬儀など四十九日前

白黒で結び切りの水引を選び、表書きは以下から選びます。
・御霊前
・御供物
・御供

四十九日以降の法事の際

結び切りの水引を選び、色は白黒・黄色・双銀から選びます。
表書きは以下から選びます。
・御仏前
・御供物
・御供

お盆のお供え

黄白で結び切りの水引を選び、表書きは以下から選びます。
・御仏前
・御供物
・御供

四十九日を過ぎているか、過ぎていないかで御霊前か御仏前と書くかが変わるので確認するようにしてください。
亡くなった方は四十九日かけ極楽浄土への旅をして、仏になると考えられています。
そのため四十九日の法要前までは御霊前、四十九日法要後は旅を終え仏になっていると考え表書きを使い分けているのです。

水引の色は念のため確認を

地域によって使用する水引の色に違いがある場合もあります。
例えば関東では白黒が多く使われますが、関西では黄白を使う事が多いです。
地域や宗派の違いがあるかもしれませんので、念のため親族の方、もしくはその地域の方に確認をした方が良いでしょう。

お供えは「内のし」と「外のし」どちらが良いのか?

のしをかける際に内のしと外のし、どちらが良いか聞かれる事があり、どちらが適しているのか、迷う事があるかもしれません。
お供えの商品に包装紙がかけられる場合、包装紙の外側につけるのしを外のし、包装紙の内側につけるのしを内のしとされています。
お供えをお渡しする状況によって使い分ける事が多いです。

持って行って直接お渡しする場合

法要の際に参列して直接お渡しする場合は外のしを選ぶと良いでしょう。
お供えの外側に熨斗がついていた方が、お供え物を拝見した時に誰からいただいたかわかるからです。

参列できずに郵送する場合

法要の際に参列できなかった場合や、法要以外の際にお渡しする場合は内のしでお渡しする例が多いです。

のしの名前は薄墨で書きます

葬儀の際の香典袋に薄墨を使用して書きますが、のしの名前を書く際も薄墨を使用するのが一般的です。
薄墨は「涙で墨が薄まる」という悲しみを表しています。
以下の名前の書き方を参考にしてください。

個人で贈る場合

送り主となる人の名前を書きます。
名字だけでなく名前もフルネームで書いてください。

夫婦で贈る場合

夫の名前をフルネームで記載、左横に妻の名前だけを記載します。

連名で贈る場合

連名で書く場合は3名までが一般的です。
その場合、右から立場や年齢が上になる方を書いていきます。
3名以上の場合は「有志一同」と書き、会社の人たちで贈る場合は「社員一同」と記載するのが多いです。
複数人数の名前を書きたい場合は、別紙で名前を記載すると良いでしょう。

お供え物はどのくらいの予算が適しているか

あまり高い金額のお供え物を贈るとご遺族に気を遣わせてしまうため。あまり高すぎない額のものを選ぶようにしてください。
一般的には3,000円〜5,000円程度、故人と親しかったという場合は、5,000円~15,000円程度のものを選ぶという例もあります。

お供え物の選び方

一般的に「消えもの」と呼ばれる品を選ぶようにします。
食べ物や消耗品です。

おすすめの一例

・花
・メロンやパイナップルなどの果物
・ジュースの詰め合わせ
・常温保存できる水菓子やゼリー
・個包装されているお菓子の詰め合わせ

果物やお花は法事の際に仏壇周りに適していますのでおすすめです。
また、ジュースや個包装されているお菓子などは、お客様がいらした時のお茶菓子として出す事も出来ますし、みんなで分ける事も出来ます。
夏季のお盆の際は常温保存できるゼリーや水菓子は喜ばれる事が多いです。

避けた方が良いもの

・においがきつい食品や消耗品
・日持ちがしないもの
これらの品は常温でお供えをしておく環境で考えると適していません。
お供えをしている際ににおいによるご迷惑が掛かってしまう可能性があるので避けてください。

関連記事:葬儀や法要での供物を選ぶポイントと送り方

お供えではなく現金をお渡しする場合

お供えではなく現金を包むという場合、水引の選び方はお供えと同様です。
ただ、お供えと違う点がありますので、以下をご参考ください。

表書きで「御供」とは書かない

・四十九日前(通夜、葬儀)の時は「御霊前」か「御香典」と書きます
・四十九日以降の法事やお盆では、「御仏前」か「御供物料」と書きます

名前を書く際のポイント

お供えを現金をお渡しする場合の名前は、薄墨ではなく通常の濃さの黒色
か、更に濃い墨の黒色で書きます。

お供え物をお渡しする際の注意点

直接持って行ってお供え物を渡す場合、風呂敷か紙袋で包んで持参しましょう。
お供えをお渡しする際に紙袋や風呂敷から出してお渡しします。

お供え物を配送依頼する場合の注意点

当日に参列できずお供えを宅配業者に依頼してお送りする場合、法要の前日までに到着するように発送します。
自宅にお送りする場合以外にも、お寺や法要会館に送る場合があるのですが、他の法事も行うという点で取り違いがないように対策をした方が良いでしょう。
お寺や法要会館に送る場合は、喪主名を記載して、いつ、だれの法要を行うのかといった情報をメモ欄に記載しているとわかりやすいです。

まとめ

法事の際にお渡しするお供え物は、故人へ弔う気持ちだけでなく、ご遺族への気遣いも含めて選びます。
お供えののしについては、どの種類を選ぶべきなのかわからなくなる事も多いです。
その時は店員さんに確認をとる方法もありますが、最近はネットショップで手配する場合もありますので、表書きや水引の選び方をあらかじめ確認しておくと対応しやすくなります。

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