喪主が知っておくべきお香典に関するマナー
初めて喪主を務める際、香典に関してわからない事も多いと思います。
香典に関する疑問も含め、お香典に関するマナーを解説していきますのでご参考ください。
香典を辞退する場合は早めに知らせる
お香典は元々、故人や遺族への弔意として渡すものでした。
そして、葬儀費用の負担を考慮して支援するという気持ちで渡す意味合いも含まれています。
ここ数年の間に家族葬など、規模を縮小した葬儀も行われるようになりました。
参列者に金銭的な負担をかけないようにといった配慮も含め、お香典の辞退を申し出る例も増えつつあります。
もし、香典を辞退するという場合は、参列をお願いする人たちに前もってお知らせするのがマナーです。
・訃報連絡の際に香典辞退も伝える
・葬儀の案内状に、香典を辞退する旨を記載する
上記の方法で香典を辞退することを事前に伝えておくようにします。
葬儀当日は葬儀会場の受付の場所に「香典を辞退する」旨の看板を出してもらい、受付の担当の人にも香典を辞退する旨を伝えるようにしておくと良いです。
喪主は香典を出さなくても良い
喪主を務める際に気になる事といえば、お香典は出すべきなのかという点です。
結論から言うと喪主は葬儀費用を負担する側となります。
よって喪主は香典を出す必要はありません。
ただ、施主もいて、喪主が葬儀費用を負担しないという場合は葬儀費用を負担するという意味合いで施主に宛てて香典を渡す場合もあります。
喪主の家族は香典を出す必要があるのか?
もう一つ、気になるのは「喪主の家族は香典を出した方が良いのか?それとも出さなくても良いのか?」という点です。
喪主の家族に関しては、必要に応じて香典を出す例もあります。
正確な決まりがある訳ではないのですが、喪主と同居している家族の場合は出さなくても良いとされています。
別の一例として、喪主の子供が成人して別の場所に住んでいる場合です。
違う場所に住んでいる場合は出した方が良いとされています。
もし香典を出さない場合は、葬儀費用の一部を負担するという形で出すと良いでしょう。
受け取った香典の使い道
お香典は葬儀費用への負担軽減という意味合いもあるので、葬儀費用に充てます。
また、香典返しの際にも使用すると考えましょう。
香典をいただいた際は香典返しをしますので、香典返しに使用して残りを葬儀費用に充てるという場合も多いです。
葬儀費用は香典だけでは足りなくなる事がほとんどなので、不足分は喪主側、もしくは親族で折半を行う方法で負担する事になります。
香典返しをする際に知っておきたいマナーとポイント
葬儀の参列者からいただいた香典は、香典返しをするのがマナーとなります。
香典返しの際のタイミングや金額など、知っておいた方が良いポイントがいくつかあります。
香典返しはいつ頃するべきなのか
香典返しのタイミングについては、一般的に忌明けとされているのですが、地域によっては即返しをするのが通常だという場合もあります。
念のため、地域的に即返しを行う習慣があるのかどうかを同地域の年長者や葬儀会社に確認してみると良いでしょう。
忌明けに香典返しを行う場合は、信仰している宗教によって忌明けの時期が違ってきます。
・仏式 四十九日法要後
・神式 五十日祭後
・カトリック 30日目の追悼ミサ時に渡す
・プロテスタント 1か月後の焦点記念日の際に渡す
仏式、神式の場合は、忌明け法要後1か月以内に渡すようにした方が良いでしょう。
香典返しにかける費用にも金額相場がある
一般的にお香典として渡す金額相場があるように、香典返しの際もいただいた額の3割から5割程度を香典返しするというのがマナーです。
一番わかりやすい方法として、約半額を香典返しとしてお渡しすると考えると良いでしょう。
もし、いただいた香典の額が大きかった場合、一般的な香典返しの額と同じくらいだったとしても特にマナー違反にはなりません。
例えば、親族からいただく香典の額が大きい場合がありますが、葬儀費用の負担もあるという点から高額になる場合も多いからです。
この場合は、通常の香典返しの額と同じでも構わないとされています。
香典返しで即返しの場合
ここ最近では即返しとして2,500円程度の香典返しを渡す例も増えつつあります。
もし、いただいた香典額が高額だった場合は、いただいた香典額の半額から即返し分を差し引いた分を後日、お渡しするのが一般的です。
例:壱萬円の香典をもらった場合
半額の5千円分から即返し2,500円を引いた2,500円分を後日、お渡しします。
香典返しの品を選ぶ際にもポイントがあります
香典返しとしてお渡しする品物を選ぶポイントとして「残らないもの」にします。
形に残るものは「不祝儀が残る」と考えられ、形に残らないものは「不祝儀が残らない」とされているからです。
香典返しは食品や日用品を選ぶと良いでしょう。
洗剤やタオル、食品類が人気です。
食品を選ぶ際の注意点として、縁起が良いとされる鰹節やするめ、昆布は選ばないようにしましょう。
金額別にいくつか選んでおくと対応しやすいです。
香典返しの掛け紙について
香典返しには掛け紙をかけます。
掛け紙の水引は必ず「結び切り」を使用してください。
結び切りを使う理由は、「再び不祝儀が起こらないように」という意味があります。
送り主の名前は名字だけで良いです。
表書きについては、地域的な違いもありますし、信仰する宗教によって違いが出てくる場合もあります。
一般的な表書きは「志」ですが、関西では「満中陰志」(まんちゅういんし)と書く場合もありますので、関西地域の人は一度確認をすると良いでしょう。
年長者、もしくは葬儀会社に相談してみてください。
神式の場合は「偲草(もしくはしのび草)」と書く場合もあります。
遠方の方に香典返しを贈る場合
香典返しをお渡しする場合、先方のお宅まで出向いてお渡しするのが一般的ですが、先方のお宅が遠い場合、お礼状や挨拶状を添えて香典返しの品を配送する方法もあります。
お礼状や挨拶状を作成する際に注意しておく点は「句読点を含めない文にする事」です。
句読点を含めない文で「滞りなく法要を終えたい願い」を込めているという説もあります(諸説あります)
香典返しの際に地域的、宗教的違いがある場合は?
家族内で信仰している宗教が違ったり、地域的に違いがある場合はどうすればよいのか迷うかもしれません。
香典返しに関する風習などは基本的に喪主に合わせて行って構わないとされています。
まとめ
喪主は葬儀費用の負担をする場合が多いので、香典を出す必要がないとされています。
受け取った香典は香典返しと葬儀費用に充てて、もし足りない分は、葬儀費用を負担するというのが一般的です。
もし、香典を辞退する場合は早めに参列予定者に連絡を入れておきましょう。
香典返しは一般的にいただいた額の3割から5割と考え、形が残らない食品や日用品でお渡しする方法が無難です。