葬儀の際に昔は葬儀の際に花や線香の他、食糧をお供えする風趣がありましたが、今では香典として現金を包むのが一般的です。
このページでは香典として包む金額の相場と、香典袋の種類、書き方など、香典について知っておきたいポイントを解説していきます。
目次
香典の金額相場とは?
香典として包む金額ですが、故人とどのような関係かで金額が変わってきます。
関係性が近くなるにつれて金額が高くなっていくのが一般的です。
そして20代よりは30代、30代よりは40代と年代が高くなっていくにつれて金額が上がっていく傾向があります。
下記は40代の人の相場例です。
・親 100,000円~
・兄弟 100,000円~
・子 50,000円
・祖父母 100,000円~
・叔父・叔母 30,000円
・友人 3,000~10,000円
・友人の親 3,000~10,000円
・職場 5,000~10,000円
避けておきたい数字を考慮する
冠婚葬祭では金額についても注意しておきたい事があります。
葬式の香典に関しては、2や4、6といった割り切れる偶数数字を避けるのが一般的です。
他にも死や苦といった忌み言葉に含まれるような4や9も避けて金額を聞けるようにします
食事がある場合は多めに包む
葬儀の際に食事の予定がある場合は、遺族に負担をかけないといった考慮も含め、上乗せして包む場合があります。
一般的に食事台として上乗せする場合は、5,000〜10,000円程度が一般的です。
香典は世帯ごとで包む
夫婦で弔問に訪れるという場合、香典は世帯ごとで包みます。
表書きは連名で書いても問題ありません。
世帯ごとで香典を包む場合、金額は人数分用意しなくてはいけないのか?と思うかもしれませんが、一人分で問題ないと考えられています。
理由として香典返しの際も一世帯分として渡すためです。
宗派別、香典袋の種類について
香典袋は様々な種類が入手できますが、どれを使っても良いというわけでもありません。
包む香典の額によって水引など選ぶべき袋の種類がわかっていきます。
仏式や神式の香典袋
・5,000円以下 印刷の水引
・5,000円~3万円 黒白の水引
・3万円~10万円 双銀の水引
・10万円以上 高級和紙製の袋に双銀の水引
キリスト教の場合
水引が入った袋は使用しません。
故人がキリスト教徒だとわかっている場合は、専用のデザインの香典袋を準備すると良いでしょう。
ただ、カトリック専用の香典袋を準備できない場合は「ご霊前」の袋でも問題ないとされています。
その場合は、水引の無い香典袋か、水引が入っていたとしても黒白または銀白の袋を選ぶと良いでしょう。
包む予定の金額に合わせて香典袋を準備してください。
宗派別、典袋の適した表書き方法
香典袋の表書きは宗教・宗派ごとに変わってきます。
下記をご参考ください。
・仏教
御香典、御霊前、御香料
・浄土真宗のみ
御仏前
・神道
御玉串料、御榊料、神饌料
・キリスト教 カトリック
御花料、御ミサ料
・キリスト教 プロテスタント
御花料、献花料、忌慰料
上記の中で、浄土真宗とプロテスタントは「ご霊前」と書くのはマナー違反となりますのでご注意ください。
故人の信仰している宗教・宗派がわからない場合
故人の信仰がわからない場合は「御香典」と記載しておくと良いでしょう。
この場合、香典袋もデザインの入っていないものを選ぶようにします。
香典袋の下段の書き方
下段には名前をフルネームで書きます。
夫婦で香典を渡す場合は連名で2人の名前を書きますが、妻の名前の記載は名字を省略して名前だけで書いても問題ありません。
家族一同として渡す場合は「○○家」と書きます。
また、友人同士など2名以上で渡す場合は「○○一同」とします。
内袋の書き方
香典袋の内袋は下記を記載ください。
・表に包んである金額
・裏に名前と住所
金額の記載の際は、漢数字の一など、後で書き換えられる可能性もあるため、冠婚葬祭時の金額の記載は「参仟圓」など旧字体を使用します。
旧字体の方が書き換え防止をしやすいという理由です。
3名以上の連名で包んだ場合は、内袋に全員の氏名と住所を記載してください。
香典袋の記載は薄墨が最適
香典袋の表書きや内袋への記載は薄墨で書くのがマナーです。
すずりに涙が落ち、墨が薄くなるほどの悲しみを表しているという意味合いがあります。
ここ最近では、葬儀用の薄墨の筆ペンやペンも販売されていますので、1本購入しておくと良いでしょう。
薄墨が準備できない場合は、普通のペンや筆ペンでの記載で問題ありません。
香典袋で包むお金について知っておきたいこと
香典袋に入れるお金についても選び方、入れる向きについてのマナーがあります。
新札は入れないようにする
香典に入れるお金として新札を入れるのは失礼にあたります。
これは「新札を準備して不幸を待っていた」という意味合いがあるといわれているからです。
もし、新札しかない場合は新札を折ってから使用すれば問題ありません。
お札を入れる向き
内袋の表書きの面(金額を記載する面)を上にして開けた際に、お札の肖像画が見えない(裏になる)ように入れるのがマナーです。
これは、顔を伏せるという意味合いで故人の死を悲しむ気持ちを意味しています。
集計の人が扱いやすいように、お札の向きは全て揃えて入れるようにしてください。
香典は袱紗に包む
香典を持ち歩く際はカバンに入れず、必ず袱紗に入れ、袱紗から取り出してお渡しするのがマナーです。
袱紗の色は紺、紫、灰色、緑、うぐいす色あたりであれば葬儀の際に使えます。
また、紫色の場合は弔事と慶事両方に適しているので、購入の際の参考にしてみてください。
金封袱紗だと3万円までのお香典にしか適していないので、3万円以上の香典を包んでいる場合は、爪付袱紗、または台付袱紗を用います。
袱紗の開き口は左側になると覚えておいてください。
右開きだと慶事用となるので注意が必要です。
爪付袱紗や台付袱紗に包む場合は、表書きが上になるように置いてから、右、下、上、左の順番で畳んでおくと左開きで取り出せます。
まとめ
香典の金額相場は故人とどの程度近い間柄かで金額が変わっていきます。
近い間柄になるほど高くなりますし、年齢を重ねていくにつれて高くなっていくのが一般的です。
香典は安すぎても失礼に当たりますし、相応でない高すぎる金額でも遺族側に負担をかけてしまう可能性があります。
避けておきたい数字も考慮し、金額を決めるようにしましょう。
また、香典袋の選び方や記載の仕方、お金の入れ方にも決まりがありますので、このページを参考に覚えておくといざという時に対応しやすいです。